乳がんの手術

乳がん治療の基本は、乳房のがんを取りのぞく手術です。おもに乳房温存手術か乳房切除術がおこなわれますが、内視鏡手術や凍結療法などの新しい治療法も始まっています。

各手術は、亀田総合病院にて行います。
当院の電子カルテは亀田総合病院と連携しています。

乳房温存手術

乳房温存手術は、乳房の一部を切ってがんを取りのぞく手術法です。しこりの大きさが3cm以下で、がんが多発していない、術後に放射線治療を受けられるなどの条件をみたしているときにおこないます。

乳房切除術

乳房切除術は、乳房全体を取りのぞく手術法です。しこりの大きさが3cmをこえていて、がんが広範囲に広がっている、がんが多発しているときなどにおこないます。

内視鏡手術

内視鏡手術は、乳房の小さな傷から内視鏡を入れてがんを取りのぞく手術です。世界で初めてこの治療をおこなった福間英祐医師が診察し、亀田総合病院で手術します。

福間医師
乳がんの内視鏡手術は、世界で初めて1995年に福間英祐医師がおこないました。それまで、すき間の少ない乳房内で内視鏡手術をおこなうのはむずかしいとされてきましたが、福間医師は美容外科でおこなわれていた豊胸術の方法に着目。乳首の横とわきの下の2カ所に小さな傷を開け、そこから内視鏡を入れて乳がん手術をおこなうことに成功しました。
内視鏡手術では、乳腺の一部を取りのぞくのはもちろんのこと、乳腺全体を取りのぞくことも可能です。乳房の中身はなくなりますが、この方法であれば皮膚や乳首、乳輪は残ります。ここに再建術で人工物(乳房インプラント)を入れたり脂肪注入をおこなえば、以前と変わらない乳房を取りもどすことも可能です。

凍結療法

凍結療法は1cm以下の乳がんに対しておこなう治療法です。この治療法を研究してきた福間英祐医師が、亀田総合病院で診療します。治療時間は1時間ほどです。

1cm以下の乳がんは、とても小さいうちに発見され早期がんです。ごく小さいがんに対して、それに見合う負担の少ない治療法として考え出されたのが「凍結療法」です。凍結療法では、がん細胞に特殊な針を刺してマイナス168℃で凍結します。その後、凍結したところをゆっくり温めると、がん細胞は温度差にたえられず壊れてしまいます。治療時間は全部あわせても1時間ほどで、外来でおこなえる治療です。